甘霧庵

ハインリヒ・シュッツ その9 「マタイ受難曲」 2、ベタニアの香油 シュッツの腕の見せ所です。

皆さんこんにちは。

甘霧庵でございます。

さて、前回の続きです。

大勢で食事中に急に見ず知らずの女性が油をかけたらどうします。

しかも、その油がとてもいい匂いがして、部屋中がその香りで充満したとしたら。

普通はキレますよね。

しかし、そこはイエス・キリスト様です。

ブチギレたりはしません。

ただ、無関係な人がキレました。

イスカリオテのユダって人でした。

この人はイエス・キリスト様の弟子の一人で、

イエス・キリスト様御一行の会計係でした。

この人が「なんのためにこんなむだ使をするのか。それを高く売って、貧しい人たちに施すことができたのに。」

なんてな事を言っちゃったのです。

それをお聞きになったイエス・キリスト様は

「この女がわたしのからだにこの香油を注いだのは、わたしの葬りの用意をするためである。」

イエス・キリスト様はもうすぐ処刑されると知っていて、埋葬の準備をしてくれている女性に感謝しているわけです。

当時のイスラエルの習慣ではお亡くなりになった方には香油を塗って腐敗臭を防いだのです。

こうしてイエス・キリスト様の処刑への第一段階が終了したわけです。

実際、シュッツの作品を聞いてみますと、

イエス様役の男声が豊かに、かつ威厳を持った旋律で歌われます。

その上で、決して説教臭くなく爽やかで、しっかり説得しています。

シュッツの才能を感じさせます。

【画像】

Johannes Vermeer, Public domain, via Wikimedia Commons

 

 


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