皆さんこんにちは。
甘霧庵でございます。
さて、シュッツのマタイ受難曲はオーケストラの無いアカペラで全曲演奏されております。
歌手にはそれぞれ配役があてがわれております。
その中でも最も難しい役割が「福音史家」あるいは「エヴァンゲリスト」
という役割です。
この役割はシュッツの場合テノールが歌うことになっております。
「福音史家」はいわゆる聖書のト書の部分を歌います。
受難曲の作曲では「福音史家」のパートをいかに作曲できるかが腕の見せ所でしょう。
シュッツのマタイ受難曲はイエス・キリスト様の心の変化を
ただイエス・キリスト様のパートだけで表現せずに
福音史家のパートを利用して表現しております。
例えば、マタイによる福音書26章40節と41節
それから、弟子たちの所にきてごらんになると、彼らが眠っていたので、ペテロに言われた、「あなたがたはそんなに、ひと時もわたしと一緒に目をさましていることが、できなかったのか。誘惑に陥らないように、目をさまして祈っていなさい。心は熱しているが、肉体が弱いのである」。
イエス・キリスト様のパートも怒りに満ちた音楽ですが、
その直前のト書の部分もかなり厳しい音楽に仕上げております。
つまり、ただト書を歌うだけでなく露払い役とか前説とか雰囲気作り役みたいなことまでやっております。