皆さんこんにちは。
甘霧庵でございます。
さて、神への冒涜罪で逮捕されたイエス・キリスト様はお世辞にも公正とは言えない審問を受け、有罪が確定します。
大祭司カヤパの問いかけに対し、他の裁判官も「彼は死に当るものだ」と有罪を言い渡します。
この短いセリフにシュッツはごく短いメロディーをつけます。
歌詞の内容はかなり深刻ではありますが、
メロディー自体はかなり優しく、
どちらかというと肯定的な感じすら与えます。
おそらく、歌詞の内容が内容だけにメロディーまで暗く深刻にすると
真面目なドイツ人は本当に落ち込んでしまうからではないでしょうか。
その辺りまで考えて作曲したことと思います。
とにかく、
福音史家役とイエス・キリスト様役が多く、
独唱ばかり続くので
その他大勢の合唱はダレぎみの聴衆を引き締めるのにちょうど良いのかもしれません。
さらに、その他大勢が続きます。
こちらの歌詞はもっと深刻です。
まず、福音史家が強めに歌います。
『それから、彼らはイエスの顔につばきをかけて、こぶしで打ち、またある人は手のひらでたたいて言った、』
そして、群衆の合唱です。
「キリストよ、言いあててみよ、打ったのはだれか」。
この群衆の合唱も歌詞の内容に反して結構軽い感じです。
そして、場面は変わります。
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https://www.wikiart.org/en/giotto/christ-before-caiaphas