甘霧庵

ハインリヒ・シュッツ その31 「マタイ受難曲」6曲目「大祭司とピラトの審問」その7

皆さんこんにちは。

甘霧庵でございます。

さて、イエス・キリスト様の一番弟子であるペテロさんは絶対にイエス・キリスト様を裏切らないと言っていましたが、

実際、詰め寄られるとあっさり「あんな奴知らない」と言ってしまいました。

この部分のペテロはかなり食い気味に強く力強いメロディーです。

しかし、それと対照的に知らないと言ってしまったことに対する後悔は

福音史家のメロディーなんですが、

これがものすごく悲しく暗くどんよりしか感じです。

さらに詰め寄る人のメロディーが相まって中盤の最大の聞きどころです。

実際、ここまでさほど大きな展開もなく淡々と進んできましたが、

この中盤で一気に人間の醜さとイエス・キリスト様の毅然とした態度の対比、

さらに、

その場の環境で感情が変わる弱いメンタルの人間と

いついかなる場合でも変わらぬイエス・キリスト様の対比

この対比が素晴らしく表現されております。

さらに、この時代の後につながるフーガやメロディーを重ねていく感じなどはこの時代の先駆者と言えるかもしれません。

さらに合唱での高いパートを女性が担当することで、

その他大勢の合唱がさらに厚みが出て多くの人が自分勝手に発言している感じも出して来ております。

そして、この後さらに盛り上がります。

画像

レンブラント・ファン・レイン作「聖ペテロの否認」

レンブラント・ファン・レイン作「聖ペテロの否認」|国立西洋美術館 「レンブラントとレンブラント派-聖書、神話、物語」展より


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