甘霧庵

ハインリヒ・シュッツ その32 「マタイ受難曲」6曲目「大祭司とピラトの審問」その8

皆さんこんにちは。

甘霧庵でございます。

さて、マタイによる福音書によるとペテロの件の後、

チャプターが変わり、

次の日の朝に変わっております。

この裁判のやり方は、ユダヤの伝統的裁判手続きにそったものではありませんでした。

まず裁判は神殿で行われることに なっていますが、大祭司カイアファの邸宅の中庭で行われています。

死刑の裁判は、昼間行わなければなりませんが、 夜間に行われています。

その判決は即日ではなく翌日にしなければならないが、その場で判決がなされています。

このように、イエス・キリスト様を裁いた裁判のやり方は、

伝統的ユダヤの裁判手続きをへたものではなく、

いわば大祭司カイアファ はその権力を用いて出来レースをやったものだったのです。

実に卑怯です。

しかも、

最高法院のなかでそれに異議を唱える者はいませんでした。

当たり前です。

最高権力者に睨まれると何をされるかわかりません。

こうして、裁判でイエスの死を議決した祭司たちは、イエスをローマ皇帝から派遣されていた ピラト総督のところに連れて行いました。

当時、ローマ 総督の管轄下にあったユダヤでは、法廷で死刑にする権限がなかったのです。

ところで、イエス・キリスト様を裏切ったイスカリオテのユダのその後はどうなったのでしょう?

続く。

画像

ピラトの前に引き出されたイエス・キリスト様(1881年、ムンカーチ・ミハーイ

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Munkacsy_-_Christ_in_front_of_Pilate.jpg#/media/ファイル:Munkacsy_-_Christ_in_front_of_Pilate.jpg


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