甘霧庵

ハインリヒ・シュッツ その33 「マタイ受難曲」6曲目「大祭司とピラトの審問」その9

皆さんこんにちは。

甘霧庵でございます。

さて、イエス・キリスト様を裏切ったイスカリオテのユダさんは流石に自責の念に駆られてしまいました。

彼は大祭司から銀貨30枚をもらいましたが、それを返すと大祭司たちに申し出ました。

当然、そんなことは通用しません。

そして、イスカリオテのユダさんはその銀貨を大祭司以下祭司や長老などのお偉がたに投げつけて出ていきます。

そして、自殺しました。

首吊りです。

内容はかなり暗い感じではありますが、

シュッツの音楽はとても美しいです。

と言いますか、

当時としては2歩も3歩も先を進んでいる音楽です。

ここまで聞いて来た私の感想は

聖書の内容と音楽が一致している部分と

そうでない部分があります。

特に合唱は本当に美しいメロディーが続きますが、

合唱部分はあっさり終わってしまいます。

美しくも短い旋律です。

イスカリオテのユダの独唱は

自分がいかに恐ろしいことをしてしまったのかようやく気付いた感じがよく出ている旋律です。

それに対する、祭司たちの合唱は大勢で力ずくで抑え込む感じがよく出ております。

ちなみに投げつけられた銀貨ですが、畑を買取り外国人墓地として利用されることになりました。

で、この出来事はさかのぼること数百年前にエレミヤという預言者によって予言されたことが成就したのです。

続く。

画像

ブルガリアのストラペッツにあるタルジシュテ修道院の 16 世紀のフレスコ画。

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Judas_Iscariot_from_Tarzhishte_Monastery.jpg#/media/File:Judas_Iscariot_from_Tarzhishte_Monastery.jpg

 


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