甘霧庵

ハインリヒ・シュッツ その35 「マタイ受難曲」7曲目「大祭司とピラトの審問」その2

皆さんこんにちは。

甘霧庵でございます。

さて、前回ご紹介しましたポンテオ・ピラトは所詮は官僚です。

ですから、できれば任期満了まで何事もないことを望んでいたはずです。

つまり、「事なかれ主義」です。

そして、もう一つ嫌いなのが「板挟み」です。

気の毒なポンテオ・ピラトさんにはこの大嫌いな二つが一気に降り掛かってきます。

ユダヤの大祭司カイファの審問が終わり、

死刑の判決が出されました。

しかし、死刑の執行はユダヤ人にはできません。

で、総督のポンテオ・ピラトに死刑の執行をしてもらいに嘆願に行きました。

そして、ポンテオ・ピラトは自身で尋問を始めます。

さて、作曲したシュッツはこの部分を意外とあっさり表現しております。

まず、長い福音史家のト書です。

できるだけ感情を抑えて客観的に歌い上げます。

意外と難しいかもしれません。

感情たっぷりに歌う事はアマチュアでもできます。

よく悦に入ってるおっさんがカラオケスナックにいます。

感情を入れて歌うのは簡単という事です。

しかも、アカペラで歌うとなるとかなりの技術が必要です。

そして、満を持してピラト役の歌手の登場です。

総督役ですので威厳のある深い声で歌います。

しかし、イエス・キリスト様役ほど深い声ではいけません。

続く。

画像

Christ before Pilate, 16th–17th century

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:SAAM-1929.6.148_1.jpg#/media/File:SAAM-1929.6.148_1.jpg


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