皆さんこんにちは。
甘霧庵でございます。
さて、前回ご紹介しましたポンテオ・ピラトは所詮は官僚です。
ですから、できれば任期満了まで何事もないことを望んでいたはずです。
つまり、「事なかれ主義」です。
そして、もう一つ嫌いなのが「板挟み」です。
気の毒なポンテオ・ピラトさんにはこの大嫌いな二つが一気に降り掛かってきます。
ユダヤの大祭司カイファの審問が終わり、
死刑の判決が出されました。
しかし、死刑の執行はユダヤ人にはできません。
で、総督のポンテオ・ピラトに死刑の執行をしてもらいに嘆願に行きました。
そして、ポンテオ・ピラトは自身で尋問を始めます。
さて、作曲したシュッツはこの部分を意外とあっさり表現しております。
まず、長い福音史家のト書です。
できるだけ感情を抑えて客観的に歌い上げます。
意外と難しいかもしれません。
感情たっぷりに歌う事はアマチュアでもできます。
よく悦に入ってるおっさんがカラオケスナックにいます。
感情を入れて歌うのは簡単という事です。
しかも、アカペラで歌うとなるとかなりの技術が必要です。
そして、満を持してピラト役の歌手の登場です。
総督役ですので威厳のある深い声で歌います。
しかし、イエス・キリスト様役ほど深い声ではいけません。
続く。
画像
Christ before Pilate, 16th–17th century
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:SAAM-1929.6.148_1.jpg#/media/File:SAAM-1929.6.148_1.jpg