皆さんこんにちは。
甘霧庵でございます。
さて、ちょっと寄り道のつもりで番外編として知里幸恵さんをご紹介しましたが、
この記事を数週間書いているうちに知里幸恵さんの作品にハマってしまいました。
彼女が残した作品は3つです。
一つが前回ご紹介した「アイヌ神話集」です。
神話集と書きましたが、
正確には「神謡集」です。
つまり「話」というよりは韻踏んだ「謠(うた)」の要素が強いです。
例えば、前回ご紹介した
「銀の滴降る降るまわりに,金の滴降る降るまわりに.」というタイトルも
アイヌ語では
「Shirokanipe ranran pishkan, konkanipe ranran pishkan.」
なんとなくローマ字読みをしますと
「シロカニペ ランラン ピシュカン コンカニペ ランラン ピシュカン」
って感じでしょうか。
アイヌ語で読むとずっとこんな感じで韻を踏んでいます。
ですから神話集ではなく神謡集なんですね。
知里さんの目指したのはこの美しいアイヌの謠をできるだけ美しい日本語の謠にしたかったみたいです。
半ば成功しましたが、
やはり無理はあります。
韻を優先したがために妙な日本語になったりするところもあります。
そこも含めて傑作のような気がします。
彼女の作品の残り2つは次回に回します。
続く。
画像
知里幸恵と金成マツ
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Yukie_Chiri_and_Imekanu.jpg#/media/ファイル:Yukie_Chiri_and_Imekanu.jpg