甘霧庵

ハインリヒ・シュッツ その46 「マタイ受難曲」8曲目「十字架」その7

皆さんこんにちは。

甘霧庵でございます。

さて、「エリ、エリ、レマ、サバクタニ」 彼らは私の着物を互いに分け合い、私の一つの着物を、くじ引きにします。とは当時のユダヤ人の知識層にとっては知っていて当然のフレーズでした。

それは、当時よく読まれていた旧約聖書の詩篇第22篇の冒頭部分だからです。

この詩篇は当時としてはちょっと謎の詩篇だったみたいです。

作者はダビデと言われています。

ダビデもずいぶん苦労した方で、

信頼していた王様にあらぬ嫌疑をかけられ、

一時は洞窟で暮らしていました。

そんな時に洞窟の片隅で神様に苦しみを訴えていたのでしょう。

初めは愚痴っぽい感じではありますが、

あるところから前向きな言葉に変わります。

つまり、祈ることによって神様から励ましと救けられる確信を得られたのでしょう。

そして、最後はこんな素晴らしい神様のことを全世界に、

子々孫々にまで伝えていこう。

という詩なのですが、

それにしても、

「 彼らは私の着物を互いに分け合い、私の一つの着物を、くじ引きにします。」

は不自然です。

敵に捕まって拷問されたとしても

自分の服をみんなで分けることってありますかね?

プラダやグッチみたいなブランド物なら分かりますが

今来ていた服を取り合うなんて、

私は参加しません。

続く。

画像

By Unknown author – albani-psalter.de, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=7660614

 


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