甘霧庵

ハインリヒ・シュッツ その60 「マタイ受難曲」9曲目「埋葬」その2 

皆さんこんにちは。

甘霧庵でございます。

さて、シュッツのマタイ受難曲の演奏時間は

演奏家にもよりますが約1時間です。

その演奏の最終盤にタイプは異なりますが非常に美しい合唱が二つあります。

一つ目は前回ご紹介した合唱です。

歌詞の内容はいたって普通で、

「閣下、人を惑わすあの者がまだ生きていたとき、

『自分は三日後に復活する』と言っていたのを、

わたしたちは思い出しました。

ですから、三日目まで墓を見張るように命令してください。

そうでないと、弟子たちが来て死体を盗み出し、

『イエスは死者の中から復活した』などと民衆に言いふらすかもしれません。

そうなると、人々は前よりもひどく惑わされることになります。」

しかしながらそのメロディーたるや先輩方の既成の音楽から新しい音楽への第一歩って感じです。

短いフーガと細かい音符。

調和が取れているところからの一瞬の不協和音。

からの調和。

短い音楽ですが、その中にシュッツの意欲が感じとろことができます。

この音楽は特にイースター用のミサの為に作曲されました。

そんな厳格な場面での音楽であまりおふざけはできません。

しかし、最後の最後に意欲のある音楽を放り込んできましたた。

そして、さらに美しい音楽が登場します。

画像

『キリストの墓での3人のマリア』(1835, Ludwig Ferdinand Schnorr von Carolsfeld)。

4つの福音書は共通して、キリストの処刑後第三日、

すなわち日曜日の早朝、

女たちが墓をたずねていくと、

墓が空になっており、

若者(天使)が女達にキリストの復活を告げたことを述べている。

ルートヴィヒ・フェルディナンド・シュノル・フォン・カロルスフェルト – http://www.library.georgetown.edu/advancement/newsletter/64/threemarys64.htm, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=536470による

 

 

 


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