甘霧庵

風に吹かれてアンデスへ #133 緊張のお見送り。振り返るとそこは。あれ?

皆さんこんにちは。

甘霧庵でございます。

さて、雨季にだけ自然発生する滝の裏側の超ヘアピンカーブでぬかるんだ未舗装。

さらに谷に向かってのバンク。

こんなところにマイクロバスが差し掛かると

最悪の結果は谷底への死のダイブです。

運ちゃんはバスの乗客を全員下ろしました。

運ちゃんの意図はわかりすぎております。

もし仮に最悪の結果になったとしても犠牲は運ちゃんだけ。

私たちを降ろした運ちゃんは颯爽とバスに向かって行きました。

その背中はそれまでのふざけた運転を帳消しにして余りある行動でした。

もう運ちゃんとは言ってはいけません。

運転手さんです。

いえ、

運転手様。

いえ、

サー運転手です。

もし、この難局を乗り越えたら

このサー運転手に最高のコーラをご馳走しましょう。

周りを見渡すと栄光の背中を見つめる者ばかり。。。。。

あれ?

なんで物売りがいるの?

で、なんで乗客は物売りからお菓子とお茶を買って

そのあたりにゴザを敷いて

車座になって雑談に盛り上がっているの?

サー運転手は自分の命を犠牲にして私たちを助けてくれてるんだよ。

こんなところで和んでる場合か?

その時私に声をかける人がいました。

「おい、日本人。

コーヒー1杯どうだ?

安くしておくぞ。

このクッキーは美味いぞ。

一緒にどうだ。」

ふざけるな!!!

続く

 

 

 


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