甘霧庵

我が故郷 五条市 その146 ようやく平安が訪れました。しかしそれも束の間。

皆さんこんにちは。

甘霧庵でございます。

さて、彼女の愚痴大会をひたすら耐えること数時間。

体感的には数年のようにも思えました。

しかし、その終焉はいきなりやってきました。

彼女がボソッと

「もう疲れたから寝る。」

お、何ということでしょうか。

このサウンドは何よりも美しいサウンドです。

高原の鳥の音も

パリの教会の鐘の音も

モーツアルトのどんな交響曲も

この美しいサウンドには敵いません。

その美しいサウンドを残して彼女はバイバイも言わずにさっさと2階に消えて行きました。

その後ろ姿を見送ると

彼女の母親は私をカウンターに呼び寄せて

「ごめんね。一緒にいてくれてありがとうね。」

と言い私と私の母のためにタクシーを呼んでくれました。

この時点で時刻は夜の9時前

私も一気に緊張の糸が切れ

ぐったりと椅子に身を沈めました。

私と私の母と彼女の母はほとんど話すことなく

沈黙が続きます。

しかし、嫌な沈黙ではありません。

この沈黙は明日への希望の沈黙です。

やっと帰れるという希望の沈黙です。

やがて徐にドアが開きタクシーの運転手らしきものが顔を覗きました。

しかし、この人はタクシーの運転手ではありませんでした。

どうやら近所の常連のおじさんだったみたいです。

このおじさんが余計なことをします。


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