皆さんこんにちは。
甘霧庵でございます。
さて、知里幸恵さんの特集が本編になりつつありますが、
ファンになってしまいましたので、
ご容赦願います。
大正十一年八月一日の手紙です。
東京の本郷にお住まいの金田一京助先生のアイヌ語の研究のお手伝いで下宿していた頃です。
ちょっとした事件がありました。
原文をご紹介いたします。
『当地には奥様のお姉様が一人いらっしゃいます。
もう一人姉さんが門司にいらっしゃると聞いてゐます。
東京にいらっしゃる姉様に娘が三人あって、
上の人たちは嫁いで、末の娘が家を継いで、
今年の春お婿さんを取ったんださうです。
その娘さんが先月十三日にいらして、
私もお目にかゝりました。
それは/\お人形さんの様な美しいところへ、
そのやさしいことと来たら話にもならないほどで、
奥様などと呼ぶにはあまりに痛ましい様な、
今年二十歳だと云ひますが十六七にしか見えないお嬢様でありました。
先生がお不在でしたから、
奥様と坊ちゃんと私と四人でお昼を食べてしばらく遊んで帰られました。』
しかし、文章が上手ですね。
私は見習わなければならないです。
さて、このお嬢さんにこの後とんでもないことが起こります。
それは、次回に回しましょう。
続く。